富田 由里
富田 由里
倉昭和大学病院 呼吸器外科

私は卒後10年目で、呼吸器外科に入局して8年目となりました。外科医としては、修練の途中ではありますが、諸先輩の先生や後輩に恵まれて日々とても充実しています。学生時代は、外科は女性だし、きついことはできないと始めから諦めていましたが、初期臨床研修医で昭和大学の呼吸器外科で研修させていただいた時に、自分の考えが違ったことに気付かされたことを覚えております。

初めて見た呼吸器外科の手術では骨を切るなどの大胆さと血管床剥離などの繊細な操作の両方をかねそなえていましたが、特に繊細な操作の丁寧さに感動しました。また、仕事自体の忙しさは決して胸部外科医特有のものではないことは、他の科を研修していくうちに実感でき、気がつくと手術の素晴らしさに惹かれ、自分もこの手術をしてみたいと思い、呼吸器外科に入局を決めていました。

今現在、胸部外科に興味を持っていても、「忙しそう」「辛そう」「手術が難しそう」など、悩んでいる人も居られると思いますが、実際に興味をもっている科で働くことが何よりも医師として、この先ずっと働き続けることのモチベーションになると思います。手技は誰でも努力をするから出来るようになるのだということは、先輩医師から教わりました。そして、努力するためには、やはり興味がないと続けられないのだと思います。

また、特に女性医師は「女性であること」で悩むこともあると思いますが、呼吸器外科医は全国的にも想像以上に女性が多く、また近年増加傾向です。器具の進歩などで体力的な問題も解消されてきており、多くの女性医師の諸先輩方が働き続けている、そのことが女性であることのデメリットが少ないことの証明ではないでしょうか。今、「胸部外科?」どうしようかなと悩んでいる方は、既に胸部外科医としての一歩を進んでいるのかもしれません。ぜひ、そのまま進んで欲しいと思います。その好奇心が、手技の向上だけでなく、仕事の充実感につながると思います!