今村 奈緒子
今村 奈緒子
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科

胸部外科志望理由

私は卒後5年目であり、呼吸器外科に入局して3年目になります。

胸部外科に興味を持ったきっかけは、父にあると思います。父もまた胸部外科医でありましたが、早くに亡くなったため、胸部外科の魅力の神髄を聞くことは叶いませんでした。しかし、胸部外科という厳しい世界の中にあっても、やりがいと誇りを持って向かう父の姿は幼かった私の脳裏に鮮明に焼き付いていました。その後私は医師となり、様々な診療科で研修をさせていただくと、どの診療科も興味深く、専門を選択する際には、大いに悩みました。その中で外科に決めた最大の理由は、根治を目指す治療手段のひとつとして手術という選択肢を身につけたいと思ったからでした。なかでも呼吸器外科手術は、死亡数の多い肺癌を根治しうる重要な治療手段であることに加え、大血管の操作を伴うため手術がダイナミックであること、また、生命に直結する臓器であるが故に、よりクリティカルな判断が即座に要求されることに魅力を感じました。そして何よりこれらの魅力を教えて下さった先輩方の妥協を許さぬストイックな姿勢をとても偉大に思います。今後は手術の修練はもちろんのこと、図らずも再発された患者様に寄り添うことが出来る集学的な幅広い知識の習得や、オーダーメード医療の基盤となる研究にも従事していきたいと考えています。