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若手医師からのメッセージ

2013年掲載

自治医科大学附属さいたま医療センター
心臓血管外科
堀 大治郎

若手医師の立場から

初期研修から心臓血管外科へ

 私は現在、自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科に勤務する卒後9年目です。卒後は初期臨床研修制度が導入され2年目であったため、研修先として救急医療で有名であった湘南鎌倉総合病院に就職しました。初期臨床研修制度では2年間で内科から外科、さらに小児科、産婦人科など様々な科において臨床研修を行いますが、湘南鎌倉総合病院でのカリキュラムでは救急医療を2年間通じておこなってきました。通常の日常生活をおくっている人が急変し、運び込まれてくる救急医療では、的確な診断が患者様の予後につながり、特に脳神経、心血管系のトラブルは専門家へのスムーズなコンサルテーションが要求されました。救急外来では数多くの急性大動脈解離症例を経験しましたが、診察中に急変することも多く、多くの患者様がそのまま手術室に運び込まれました。そのような患者様を手術で治療し、無事退院させる心臓血管外科医と関わるようになり、24時間365日、常に冷静に対応する心臓血管外科医のMotivationの高さに魅力を感じました。

 初期研修医時代は内科系、外科系にどちらに興味があるかとよく聞かれましたが、どちらもやりがいがあると感じました。どちらに関してもGuide Lineが作成され、治療方針も決まっておりますが、異なるところは外科における治療は薬ではなく、術者がもつ技術・技量により成績が大きく異なることにあると思います。特に良性疾患を扱う心臓血管外科では手術手技次第で患者のQOLが左右され、術者の責任は重大です。責任が重大であるからこそやりがいを感じます。初期研修が終わった3年目より心臓血管外科修練医として自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科に入局しました。

心臓血管外科入局して

 日本の専門医制度では心臓血管外科専門医を取得するためには外科専門医を取得する必要があります。初期研修を含めた4年間は外科専門医取得のため一般外科での修練、麻酔科、さらに集中治療室において臨床研修を重ねてきましたが、5年目より本格的に心臓血管外科の修錬が始まりました。初めは静脈瘤からはじまり、次に透析用シャント、さらにF-F Bypass、F-P Bypassと続き、腹部大動脈瘤手術を担当するようになりました。6年目になると大動脈弁置換術、僧帽弁置換術の執刀医など、経験範囲が広がり、7、8年目にはCABGや僧帽弁形成術さらに弓部大動脈置換術や急性大動脈解離の手術も経験するようになりました。さらに低侵襲手術として発展したステントグラフトは実施医として、そして現在では指導医として治療に携わる事ができるようになりました。昨年度に行われた心臓血管外科専門医試験にも無事合格し、今年からは心臓血管外科専門医として責任を持ち、診療に携わっていきたいと思っております。

今後の心臓血管外科

 2012年10月にBarcelonaで行われたヨーロッパ胸部心臓血管外科学会に参加してきました。今海外で一番勢いがあるヨーロッパではTAVRやMitral Clippingなどカテーテル操作を中心とした低侵襲手術が数多く行われております。日本でもHybrid手術を導入する施設が多く、ステントグラフトを始めとした低侵襲手術が今後の大きな課題となります。カテーテル操作技術も今後の心臓血管外科医には必要となる時代に突入しており、これからも様々な発展が期待される分野であると思われます。カテーテル技術やOpen手術の技術を勉強し、治療法のOptionを増やし、一人一人の患者様に対しその患者様にあったOrder Made治療を行えるのも今後の心臓血管外科の魅力ではないかと思います。

近森病院 後期研修医
佐野 俊和

心臓血管外科医を目指して

 私は心臓血管外科医を目指して研修中です。現在は外科専門医を取得するために一般外科で日々トレーニングに励んでおります。

 私の場合は学生の時から心臓血管外科に興味を持っていました。循環器という、生命にかかわる分野で患者さんを助けたい、という気持ちが私の中での最大のモチベーションでした。ですが、学生の時、また医師として働き始めてからも循環器という分野が大変な分野ということを痛感させられました。循環動態を把握するのは思った以上に大変であり、患者さんの状態を安定させることの難しさも経験しました。その中で感じたことは、この大変な分野を、一生をかけてでも勉強したい、ということでした。

 心臓血管外科だけでなく、外科というもの自体が簡単には一人前になれない分野だと思います。現在も一般外科で研修をしながら、手術・術前術後管理の難しさ、奥深さを日々感じています。

 今は初期臨床研修医制度があり、様々な科を経験したうえで将来の専攻科を決める制度のため、どうしても心臓血管外科という分野が特殊で未知のものに見えるかもしれません。確かにすぐに一人前にはなれない分野ですが、だからこそやりがいのある分野だと私は感じています。この未知の分野で自分がどれだけやれるか、少しでも興味のある方は是非一緒にこの未知の分野に足を踏み入れてみませんか。

近森病院 初期臨床研修医2年目
田井 龍太

胸部外科医になろう

 私は現在初期臨床研修の2年目です。私は胸部外科の中でも、心臓血管外科医を志しています。

 なぜ、心臓血管外科を目指しているかについて書きたいと思います。私は医学部を志望した頃は、薬による治療よりも手術で患者さんを治したいという漠然とした思いで外科系に進もうと思い、大学に入学しました。その後授業や実習で色々な科を見るようになりより、外科系だけでなく各科それぞれの魅力に触れ、より具体的に将来志望する科について考えるようになりました。外科系に進みたいという気持ちは揺らがなかったのですが、その中で特に心臓血管外科に魅かれるようになりました。その理由としていくつかあるのですが、最も魅力的なこととして、手術を行うと多くの場合以前の状態よりもよくなることが多いということです。具体的には、弁膜症により心不全を来している患者さんが手術をうけることでADLが改善した生活を送れるようになったり、狭心症・心筋梗塞により苦しんでいる患者さんがCABGによって症状から解放されたりするなど、予後だけでなく生活そのものをよくできることが心臓血管外科の魅力です。もちろん、大動脈解離などの致死的疾患を救命しうることは大きなやりがいであると思います。

 手術だけでなく、周術期管理も大変な所ではあると思います。ですが、それ以上に多くの魅力とやりがいがあると思います。現在初期研修を行っている病院の心臓血管外科の先生方を見ていると自分もそうなりたいと強く思います。

 医学生・初期研修医のみなさん、心臓血管外科はここに挙げたもの以外にも多くの魅力ややりがいがある科です。一度見学や、研修ローテで回ってみることをおすすめします。そして、一緒に心臓血管外科を目指しませんか。

近森病院ハートセンター 心臓血管外科 後期研修医
堀尾 直裕

心臓血管外科医を目指して

 私は現在、5年目で心臓血管外科研修をしている。

 初期研修を終え、心臓外科を目指し大学病院では病棟管理を中心に学んだ。外科医であっても手術だけではなく周術期の管理も重要であることを、強く感じた1年間であった。2011年の5月からは現在の近森病院での研修を始めた。まずは外科専門医を目指しての一般外科研修を1年間させていただいた。近森病院は救命救急センターに認定された救急病院であり、様々な救急患者が来院する。救急外来では外傷の患者を中心として初期対応を学ぶことができた。外科の研修ではcommon diseaseを幅広く経験することができた。また、胃癌、大腸癌などの手術の機会も与えていただき充実した研修を行うことができた。そして、2012年の4月から本格的に心臓血管外科研修を開始した。多くの手術がコンスタントに行われており、さまざまな症例を経験することができている。

 心臓血管外科の手術は生命に直結するものが多く、手術・周術期管理と細部にまで気を遣っていかなければならない。そのため、学ぶべきことは多く、他科に比べると一人前になるまでは多くの時間を必要とする。なかなか自分の思うようにできないことも多く、つらいことも確かに多い。しかし、手術によって元気になり、退院していく患者さんをみると自分も心臓外科医として携わっていきたいと思う。とくに、近森病院では多くのコメディカルの助けにより早期離床が積極的に行われている。手術当日にはリハビリを開始し、翌日には歩行して元気になっていく患者さんをみるとその思いはさらに強くなる。

 今は指導医の先生方、また周囲の看護師、薬剤師、栄養士など多くの方の助けを受けながら勉強させていただいている。少しずつでも成長できるように、日々の臨床を大切にしながら経験を積み重ねていきたいと思う。

姫路循環器病センター
青木 正哉

 

 胸部外科(心臓血管外科)の道へ進みあっという間に、医者になって6年が過ぎようとしています。初期研修が終わり大学の医局へ入局したての頃は、毎日が驚きと戸惑いの連続でした。いつかかってくるかわからない(いつでもかかってくる)病院からの電話や手術執刀の緊張感、新しく勉強することになった領域など、どれも初期研修の環境には存在しないものでした。

 医者5・6年目に縁があって、私は姫路循環器病センターの心臓血管外科で研修させて頂けることになりました。夏に外科専門医の予備試験を迎えました。自信はなかったのですが、合格することができました。普段の臨床で勉強したことが、必ず結果が返ってくることを実感しました。そして、やればできるということを実感しました。それからは以前の私と違い、より貪欲に勉強することが増えました。

 姫路で、充実した手術経験をすることができました。指導医の先生方が熱心に教えて下さったので、手術を安全にかつ確実にすることが出来たと思います。手術手技に関してはまだまだ反省の日々です。当直や家に帰れないことばかりで嫌になったことはありましたが、諦めずに努力してよかったと今は思います。遅刻しないように病院で寝て、朝早く業務を始めたり、深夜までかかって学会の準備をしたことも振り返ってみると良い思い出であり、今後も続けていくことになると思います。

 この4年間の中で本当にたくさんのことを学ぶことができました。胸部外科(心臓血管外科)に進んで学んだ知識やたくさんの思い出、多くはありませんが大切な友人、とくに姫路循環器病センターで同時期に働いた4人の研修医とは一生の付き合いになるでしょう。また、熱心な指導医の先生に出会えたことは私にとって宝物です。胸部外科の道へ進むか悩んでいる学生さん、初期研修医の皆さんもたくさんの宝物を見つけてください。