HOME >  胸部外科医を目指そう!  >  若手医師からのメッセージ:心臓血管外科 2019年掲載
若手医師からのメッセージ

 

2019年掲載

岐阜ハートセンター心臓血管外科 レジデント(現 日本医科大学大学院生)

 

心臓血管外科の後期研修

 将来の進路を考えている医学生や初期研修医の先生方にとって、これまでの自分の軌跡がもしヒントとなればと思い筆を取りました。
 私は2012年日本医科大学を卒業し、国立国際医療研究センターで初期研修を終了後、卒業後3年目岐阜ハートセンター(GHC)心臓血管外科に入職致しました。入職に際し大学医局への入局やハイボリュームセンターでの研修も検討しましたが、臨床経験を集中的に積むためには症例数が多く実働人数が少ないGHCを選択しました。(当時は副院長1人、執刀医2人+自分1人、途中最も少ないときは副院長1人、執刀医1人+自分1人+3年生1人でした。)
 GHCでの後期研修医採用は私が初めてでありましたが、先生方のご配慮もあり、外科専門医も順当に取得し心臓血管外科専門医受験のための手術件数、臨床評価得点1800点以上、胸部・腹部ステントグラフト多機種指導医及び実施医資格を取得させて頂きました。外科研修については近隣の総合病院で短期間研修させて頂くことで必要経験を満たすことができました。ほぼ5年間を心臓血管外科の修練に集中することができ、十分な臨床経験を得る機会が与えられました。(腹部や肺外科領域も重要です。賛否両論ですが、自分は心臓血管外科の基本修練を最重要視しました。)
 振り返ってみると、GHCでの5年間はとても充実した研修であったと思っております。当然研修の質や量はプログラムだけでなく、個人の努力やそのときの状況によって変わるとは思いますが、GHCでは心臓血管外科医としての最初の一歩を踏み出すのに十分なポテンシャルを持っていると思います。
 具体的には、開心術第1助手は医師3年目から年間50-100程度、麻酔導入、各種ライン挿入技術、SVG採取、閉開胸、人工心肺セットアップと始まり、医師7年目時点では心臓血管外科専門医取得条件クリア、開心術第1助手 140例以上、開心術術者20例(AVR、上行置換、解離、AVR+CABG、AVR+上行置換、OPCAB等)、ほぼ全症例の開胸内胸動脈採取、破裂AAA、胸部ステントグラフト指導医取得まで到達できました。初診→外来・入院・IC・手術→退院後外来を一部任せて頂けたことも自分にとっては大きな経験になりました。個人の力量によってはもっと多くのことが望めるかと思われます。
医師8年目の現在はPhDを取得するために母校の日本医科大学心臓血管外科の大学院へ入学し修練を継続しております。
 心臓血管外科は勉強することも経験することも多岐に渡り大変なことも多い印象かもしれませんが、それだけやりがいがある分野だと思います。
 辛いことや苦しいことも沢山ありましたが、最愛の妻と家族や敬愛する上司、常に暖かく励ましてくれるスタッフ、患者さんとその家族に支えられ、少しずつ心臓血管外科医へ足がかかってきたかなと感じております。道半ばで心臓血管外科を辞めていく人もいましたが、幸いなことに不思議と自分はそういう気持ちにならずにここまで生きてこられました。
 医学生や初期研修医の先生方も今後心臓血管外科を選択するにあたり、自分にできるのか・やっていいのか、続けられるのか、悩まれることも多くあるかと思います。数ある診療科の中では確かに大変な部門でありますが、自分が思っている以上に周囲の人々に支えられ応援されていることを感じると意外と頑張れるかなと思います。
 将来一緒に働けることを期待し、自分のこれまでの軌跡が少しでもこれから研修を開始される方の参考になればと願っています。応援しております。